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Channel: 俳句魂
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内田美紗句集『浦島草』(ふらんす堂、1993)を読む

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我が家の梅は遅咲きなのか、まだ咲いておりません。みなさまの近所はいかがでしょうか。さてさて、早く冬将軍が去ってくれなければ、吟行で長い間、戸外に居るのはつらいです。(ま、そんなに最近は粘ってません。寒すぎるから・・・)
 こういう時は俳句が巧い方の句集を読んで吟行に行った気分になりましょうか。上掲書より引きます。

  家具店に連れ見失ふ春の暮
  花束の捨てられてあり真葛原
  家系図を見せられてゐて大嚔
  太宰忌やひと眺めつつ人を待つ


ふけとしこ句集『鎌の刃』(本阿弥書店、1995)を読む

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昨日から最高気温が10度以上になり、ようやく春の足音が聞こえてきました。今日は栗林公園へ少しだけ梅見に行ってきました。梅の香りの中、背伸びをしたら清々しい気分になりました。

 さて以前から探していたふけとしこさんの句集『鎌の刃』をようやく入手することができました。粘り強く探した甲斐がありました。いつものように数句、引用します。

  峯雲や指で追ひゐる等高線
  巣籠りのゆらりとたてる烏かな
  尾を立てて猫の過ぎたる初鏡
  かまきりの卵に雪の積むことよ
  鎌の刃も菖蒲も雫してをりぬ
  笹舟になつてしまひし粽かな
  まるまるとゆさゆさとゐて毛虫かな

森ちづる句集『桑梓』(牧羊社、平成元年)を読む

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桃の節句も過ぎ、だんだんと暖かくなってまいりました。土日は久しぶりに遠方へ吟行へ。このまま暖かい日が続いて欲しいですね。
 
  森ちづるさんの句集から引きます。

  島の子が担いでゆけり鯉幟
  桃の日の雨にぬれゐる海星かな
  配膳の声して桜紅葉かな
  弁当に鮭の身あかき野分かな
  豊年や寺の大きな莨盆

俳誌「なんぢや 2013春 20号」を読む

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ようやく暖かくなり屋外で本格的に吟行できそう。(ほんと寒いと2時間も粘れません^^;)
吟行によくいっておられる最新号の「なんぢや」から数句引きます。

  めんどりに蹴爪の伸びて寒の入  榎本享
  家々に湾しづかなる十二月 川嶋一美
  大寒の樹液ふくらむ光かな 中村瑞枝
  一陽来復豆の芽の一列に 林和輝
  虚子像になんぢやもんぢやの落葉かな 遠藤千鶴羽
  凩や根上り松の先に海 土岐光一
  熊穴に入るや古地図の◯印 鈴木不意

「子規新報 第二巻 四十号」(平成25年2月)を読む

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こんにちわ。あたたかな土曜日みなさまいかが、お過ごしでしょうか。私は午後からちょっと港の方に出かけてみようと思います。

 最新の「子規新報」から数句引きます。この号の特集は「稲荷島人」の俳句。島人氏は、明治四十三年愛媛県砥部町に生まれ、俳誌「糸瓜」、「若葉」などで活躍。以下は島人の句。

  蛇穴を出でて女を待ちにけり
  うららかや雀は雀の飛びかたを
  蛇入れて何ごともなき茂りかな
  百歳のとぎれとぎれの昼寝かな
  ほろ酔いの耳よりさめて冬田道
  

矢沢六平句集『秋高し』(夏潮会、平成25年)

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 いつの間にか庭のハクモクレンが満開になりました!散った後のことを考えると掃除が大変そう。ぼちぼち投句以外での俳人活動も再開。日頃、本格的に文章を書いたり、積極的に句会に参加しておられる方を見習わなければ。

 句集・俳誌を三日に一回ぐらい読んでいると、作者に会った事がないにも関わらず、親しい人と会話しているような気持ちになります。きっとどこかで俳人は繋がっているのでしょう。今日は上掲書から引きます。

  石蕗の花皆この家で生まれけり
  リハビリの人水鳥を見て来しと
  燕や皇居の前の新聞社
  漬茄子の潰されながら切られけり
  月白や押しゆく空の猫車
  長き夜のダンス教室窓の中
  露草の薙ぎ倒されて咲いてをり
  秋草や明日まで臨時駐車場
  虫追ひの子等は揃ひの体操着
  稲筵進路指導の窓の外
  野菊まで小舟曵き上げられてある

俳誌「静かな場所 10号」を読む

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おはようございます。寒さが和らぎ、早起きできるようになりました(笑)朝一番に読書、ブログ更新ができ清々しい気分です。早速、上記の俳誌より引きました。

  元日の夕日へ歩む家族かな 千葉皓史

  初凪やブロッコリィの丈高く 対中いずみ

  夜濯ぎの思ひ出しては笑ふこと 満田春日

  かなかなや小さき家に本積みて 森賀まり

  台風の道に貼りつく赤きシャツ 和田悠

  冬帽や動物園に象老いて 木村定生



『俳句界 2013年4月号』を読む

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こんばんわ。地元の栗林公園では、標本木の桜が開花しているらしいです。花見句会参加できるかなー(たぶんできないかな^^;)歳時記を開き、妄想(?)句会をしたら、こんな感じ。

  咲き満ちてこぼるる花もなかりけり 高浜虚子
  水の上に花ひろびろと一枝かな 高野素十
  まさをなる空よりしだれざくらかな 富安風生
  中空にとまらんとする落花かな 中村汀女
  花衣ぬぐや纏る紐いろいろ 杉田久女
  滅びゆく星の桜を仰ぎけり 涼野海音

 私以外、「ホトトギス」系の俳人を登場させましたが、この豪華メンバーで句会したら、拙句は確実にゼロ点ですねー(苦笑)それにしても、歳時記に載っている句と比べ、近作の拙句の見劣りすることか・・・。
  
 さてそろそろ、俳句界の「北斗賞」の募集の告知があるかなと、本屋に走りました。(北斗賞の募集、今年もありました!)今号の特集は「俳人たちの愛した宿」。『俳句界 2013年4月号』より、いつものように共鳴句を引きます。

  かはうその貌の流れてゆく暮春 石寒太
  かたつむり太平洋へ角を振る 鳥井保和(句集『星天』)
  墳丘を越えて霞となる一羽 立村霜衣
  おでん食ふNHKだけ映す店 潮仲人
  着膨れて人の受章を喜びぬ 石川まゆみ


濱田俊輔句集『爾今』(ふらんす堂、2002)

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 こんばんわ。しばらく読む本がないなあと思っていた所、俳誌「草苑」に所属されていた(現在は「晨」に所属されています)方から句集が届きました。
 大げさなことを言うかもしれませんが、句集を一冊ていねいに読む事は、その作者の人生と向かい合う事ではないだろうかと思います。ここでは私の好みで句を引用しておりますが、気になった句集はぜひ一読して、共感句を筆写されることをお勧めします。今日は濱田さんの句集から引きます。

  雲水の耳朶くれなゐや蕗の薹
  夕鵙のむね吹かれをる彼岸かな
  にほどりの瞬きに春ふかみゐる
  まなかひに耳成の立つさくら冷
  国盗りのむかしも葱の花ざかり
  まひまひの恋うまれたる水輪なり
  身よりこゑ出づるふしぎや蕗の薹
  囀りのひとつ捨身と思ふなり
  蹴鞠見てゆりかもめ見て四日なり
  わが机上にも束の間の淑気かな

  


「花鳥諷詠 平成25年3月号(300号)」(日本伝統俳句協会)を読む

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こんばんわ。今日は高松は春の嵐でした。高松虚子忌句会にももぐり込みましたが、こっちも嵐で久しぶりに無点。英語でかっこよく言うと「スコンク」です(笑)

さて本日、「童子」に所属されている音羽さまより「花鳥諷詠 平成25年3月号(300号)」を頂きました。本号では日本伝統俳句協会賞が発表されています。以下に特に印象的だった句を記します。

  土器を湖へ一投年新た 大谷櫻 (「瓔珞」)
  雪掻のほかは一日何もせず 中谷まもる(「田の神」)
  蟇鳴いて背中が痒くなりにけり 浜崎素粒子 (「四時一束」)
  公判の明日となりたる髪洗ふ 森本添水 (「法廷」)
  裸体画の展覧会や夕時雨 音羽紅子 

  

俳誌「ににん 2013年春号」を読む 

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こんにちわ。今日も春の嵐に見舞われ、さくらの花はほぼ散ってしまいました・・・。来週、花見句会の予定だったのに、どうするんだろう^^;兼題は『花』。まあ句自体は出来ているので、なんとか成るでしょう。

 今日は先週届いた「ににん」の最新号より引きます。今号は「灯の街香港吟行」が特集でした。いつものように共感句を引きます。
  
  軒下に鳥籠吊す時雨かな 服部さやか
  綿虫や香港紙幣ポケットに 岩淵喜代子
  谷底の家々灯るぬくめ鳥 辻村麻乃
  手をつけば手のあと残る花疲れ 新木孝介
  貝寄風や刃を光らせて曲芸師 尾崎じゅん木
  龍天に昇りてよりの無精髭 川村研治
  


  
 

石神主水句集『神の峰』(夏潮会、平成二十五年)

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今日は珍しくたくさん俳誌が届きました。読む物が身近にないと落ち着かないのは私だけでしょうか・・・。
 
 「夏潮会」の若手の方の上掲句集より数句、引きます。

  しつけ糸ほどけしやうに蓮の散り
  革靴の鞍馬詣や秋の晴
  落人の湯のとめどなき秋の草
  古伊万里のかけら打ち寄せ春浅し
  


『古志青年部 作品集2013』を読む

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桜が散ってしまいましたが、「花冷え」と言っていいのでしょうか、少し寒い日が続いております。

 頂き物の俳誌がたまっているので、珍しく連続でブログ更新です。本屋に売っていない本を送って頂けるのは、誠に有り難く、勉強になります。それにしても「古志」は青年部があるんですね!スゴイ&いいなあ。私などは2年ぐらい前までは、同世代や私より年下の方に一度も句会で会ったことはありませんでした。ここだけの話で『新撰21』など若手のアンソロジーを書き写して、夜な夜な妄想句会してました。(笑)

 今日は『古志青年部 作品集2013』から特に共感した句を記します。

  蛇穴を出でて明るき地球かな イーブン美奈子
  着ぶくれてゐても見つけてくれる人 石塚直子
  マクベスの原書片手に目刺焼く 泉経武
  スペインの風に馴染みし秋扇 金澤諒和
  蜂がきて蜻蛉がきて糸瓜の忌 関根千方
  掘りあげし藷を並べて句会かな 高角みつこ
  台風や烏の抱く烏の子 高平玲子
  湯上りの裸に足長蜂来たる 竹下米花
  黒板に描いたやうな冬満月 竹中彩
  桑の実や口笛吹けし日の記憶 山本純人
  竹皮を脱ぐや故郷へつづく道 渡辺竜樹







季刊俳句同人誌『晶 第四号』を読む

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連日、深夜の読書をしていると目が痛くなってきました(。><。)でも読書記録としてブログは更新しておかねば、収拾が着かなくなりそうなので、書きます。

 『晶』は香西照雄著『中村草田男』の検証を中心に、草田男研究の同人誌として着実に歩まれています。今日は『晶』の最新号から引きました。

  紅梅の蘂日輪のうるみけり 長嶺千晶
  十二月八日卵に血のひとすじ 一柳はるみ
  若菜摘むラジオにヨハンシュトラウス 海野弘子
  野水仙うなじに雨の降りかかり 小川雪魚



『青山俳句工場05 第46号 2013.2』を読む

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地震が起こったり、ミサイルが発射準備されたりしてますが、私の深夜の読書は滞りなく続いております。地震で本棚が倒れたら、どうしようと今頃考えております。(遅すぎますね)

宮崎斗志さまより『青山俳句工場05 第46号』が届きました。「俳句工場」って本当に何処かにありそうな響きですね。私の頭の中にも「海音俳句工場」があって毎日のように俳句が知らぬ間にできてます(笑)量産→ピッキング→投句の繰り返しです。さて本誌は句会の一連の流れを冊子にしたものです。こういう俳誌は今まで見た事がありませんでした。いつものように特に共感した句を引きます。

  子の足を股に挟んで冬満月 白黒木子
  この先にコンビニはない落葉焚き 山下一夫
  婚期という長さ短さ牡蠣すする 宮崎斗志

  









俳誌「大 2013年春号」を読む

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あたたかい日と冷たい日の繰り返しです。今日は午後から雨のようです。今のところ、ぼちぼち俳人といえばいいでしょうか、「まあ取り敢えずは少し吟行して、投句だけは継続してるよ」ぐらいです(苦笑)

 今日は俳誌「大 2013年春号」より引きたいと思います。

  襤褸市に売られて長き蛇の皮 境野大波
  冬に入る鹿の睫毛に雨の粒 榎本享
  豚耳の油の雫日永し 尾崎じゅん木
  仁丹のポスター古りし春の雪 尾野秋奈
  地球儀の少し剥げたるクリスマス かたしま真実
  丸ビルに鳥飛びて来る雨水かな 川島葵
  ひるがへる熊笹の葉の春日かな 土岐光一
  球場の入口四角蔦枯るる 中村瑞枝
  ジーパンの両膝に穴日脚伸ぶ 花房なお
  春野行くなんでもいやといふ子ども 古瀬夏子
  いぬふぐり歩きつづけて此処に来て 青木空知
  大鵬逝くや流氷は岸に寄る 荒井八雪
  土手すべる園児の尻も淑気かな 石田遊起
  行列のできる寿司屋や猫の恋 井関雅吉



『俳句 2013年5月号』(角川学芸出版)を読む

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こんばんわ。今が一番、吟行に行きやすい時期ではないでしょうか。ちょっとだけ近場に行く予定です。

さて今日は拙作の掲載された『俳句 2013年5月号』が届きました。二ヶ月前が締切でしたが、どんな句を出したか、あんまり覚えていませんでした。(苦笑)自分の納得いくような句は、ほんとたまにしか出来ません。さっそく読了したので、共感した句を引きます。

  恋猫の鼻赤々ともどりきし 佐久間慧子
  山車どれも笑はぬ人を乗せてゐる 池田琴線女
  本町の法被の届く涼しさよ 如月真菜
  みづうみへこゑ伸びてゆく初鴉 井上康明 (句集『峽谷』)




原昇平句集『アスパラガス』(夏潮会、平成25年)を読む

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こんばんわ。みなさま連休はいかがお過ごしでしょうか、遠方に遊びに行ったり、文学の森10周年記念パーティに行ったりしているのでしょうか(笑)休みの日は私は草むしり。毛虫や蟻の句たくさん詠めそうです。

 きょうは昨日、届いた「夏潮」の第零句集から引きます。(いいなー皆さん句集出せて)

  空蝉の脚の一本欠けてをり
  ポップコーン弾けてゐたる春の昼
  休講の屋上にをり雲の峰
  同じ歌ばかり歌ひて鳳仙花
  

俳誌「樫 77号」(2013年5月1日発行)を読む

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なぜか肌寒い今日この頃です。天候と心身のコンディションって関係あるんでしょうかね。ぼつぼつ俳誌が届き始めましたので、更新します。

 ジュニア俳句のページが特徴的な俳誌「樫 77号」より引きます。


  母方の少なくなりぬ箱火鉢 徳弘喜子
  丸椅子の二つ並んで春を待つ 森田智子
  啓蟄の大川すこし濁りをり 光吉高子
  初午や階を行く肩車 小島雅子
  戦争は遠いところの花粉症 三木基史
  春の雲犬が通れば吠える犬 佐久間貞史
  ポピー咲く睫毛のながい男の子 同上
  卒業の時を奏でるオルゴール 高橋幸汰(中一)

同人誌『豆の木 17号』(2013年)を読む

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今日は倉庫の本の整理が、はかどりました。さて連休中に読むものに困らないぐらい本を頂いております。今日は同人誌『豆の木 17号』を読破しました。近場で「豆の木」のメンバーぐらい俳句を詠める人がいれば、「海音句会」開きたいのですが、出席者私だけになりそうです(苦笑)『豆の木 17号』より以下に引きます。


  人妻と山椒魚を見てをりぬ しなだしん
  新しき値札の付きし子猫かな しまいちろう
  夕焼のくるぶし大切に眠る 月野ぽぽな
  日脚伸ぶ玄関に母いるような 峠谷清広
  シャンプーとリンス間違へ朧かな 内藤独楽
  キャバレーの裏口毛皮夫人立つ 中嶋憲武
  冬枯れの駅にバナナを食う男 三宅やよい
  きさらぎの往復はがき切りはなす 宮本佳世乃
  雹降つてきし月曜のブラームス 吉田悦花
  退院の朝のアメリカ花水木 上野葉月
  蟻這うて予備校の昼明るかり 太田うさぎ
  元日や映画のなかのカーチェイス 大穂照久
  うすうすと下着のやうな日傘かな 齋藤朝比古



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