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Channel: 俳句魂
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中條ひびき句集『早稲の香』(ふらんす堂、平成二四年)を読む

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ダメダメな日を乗り越え、ちゃんと更新。今日は地元高松の句会で数年前までご一緒していた方の句集を読みました。ふらんす堂から句集を出されるとはうらやましいと思いつつ・・・神戸と高松の句会どっちがレベルが高いのかも興味があります。以下は本書より。

  教会の裏に一枚籾筵
  踊りの輪つながりさうでつながらず
  手品師の大きポケット小鳥来る
  流さるる雛の髪の縺れかな
  金網に挟まるボール雲の峰
  星飛んで赤子の名前決まりけり
  山笑ふ方へ向きゐる風見鶏
  コスモスや体操服で登校す
  花野来て野戦病院跡と云ふ
  宿帳は大学ノート小鳥来る
  垣繕ふ一人の影の濃かりけり
  筆談の大きな文字や囀れり
  草笛を吹いて上海帰りなり
  耳飾り首飾りして案山子かな
  山なりのボールを投げて卒業す
 

角川「俳句 2012年11月号」を読む

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だんだんと肌寒くなり、また吟行に行きにくくなる予感(苦笑)長時間、静かな場所で粘れるのは11月上旬ぐらいでしょうか。刑事のように季語を前にして3時間ぐらい粘れればいいのですけど、今はその半分の時間ぐらいが限界です。

 さて今日は定期購読をしている「俳句」が届きました。毎年、11月号は角川俳句賞の結果発表があります。今年は予選通過者の欄に知り合いの名前が多く載っており嬉しかったです。私は締め切り日までに50句揃えることができず、代わりに俳壇賞へ応募しました。(根性無しです)11月号の付録の俳句手帳に私の句は一句だけ掲載されています。(見てのお楽しみということで)

 角川「俳句 2012年11月号」より数句引きます。

  澄む水のやうに忘れてしまひけり 山田佳乃 『春の虹』
  路地裏に石鹸の香や夏の月 抜井諒一
  犬小屋の入口暗しほうせんくわ 柏柳明子 





俳誌「貂 2012年8月号」を読む

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こんばんわ。土日に少しずつ近場へ吟行を開始。でも今月は吟行に行ける日がもう11月3日だけという(苦笑)来月は年賀状書きに追われていることでしょうから、今年はもうほとんど吟行に行けないのでしょうか(^^;)

とりあえず昨日届いた俳誌を読んで勉強。共感した句を引いておきます。

  雨だれのぽつりぽつりと朝寝かな 山本悦子
  そろそろと水風呂に入る昼寝覚 須原和男
  真つ白な壁を見てゐる卒業式 今田ちよ
  山笑ふ振れば音する貯金箱 鳴島ナミ




俳誌「樫 74号」(2012年11月1日発行)を読む

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こんばんわ。だんだんとまた俳句関係の原稿依頼が増えてきました。(といっても短文です)ご恵贈して頂いた俳誌もあふれつつあります。今日は先月も紹介した俳誌「樫」を読みました。ジュニア俳句の投句も盛んで若手俳人の活躍も期待できそうです。

  すれ違いざまの会釈や木の実落つ 三木基史
  蝉の木に集まってくる膝小僧 村田まさる
  作州弁で通す一生草の花 光吉高子
  涼新た手足ゆっくり伸ばしけり 光吉弘子
  ひまわりの首をだらりと広島忌 佐久間貞史
  風鈴の角を曲がって三軒目 森田智子
  芒原もどってこない縄電車 えいもとかん

俳誌「青垣 2012年10月号」を読む

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昨日から急に寒くなりました。もうすぐ立冬です。さて今月末の締切の星野立子新人賞まであと約15句。土・日に半日か2時間ぐらいの吟行でもいいから、句を貯めないとピンチかもしれません(苦笑)ここ3、4年は一ヶ月に20句以上は最低、発表しています。(いつか総合誌から20句単位の原稿依頼が来たときのための基礎体力作りです。)波多野爽波のように思う存分句を詠みたいです。

 とりあえず最近、送ってもらった俳誌を読みます。今日は俳誌「青垣 2012年10月号」より共鳴句を引きます。

  噴水や眼鏡の蔓の冷えてきし 大島雄作
  石垣に水の捌け口鳥の恋 高橋あゆみ
  ていねいに卵を溶けば春生まる 松本弥生
  トラックの影より揚羽蝶ゆらり 池谷秀子
  まだ温き鶏を毟るや西日中 広渡敬雄
  夜濯ぎのうしろを影の通りけり 新井裕

 


俳句同人誌「晶 2号」を読む

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こんばんわ。図書館に本を返しに行ったら、大学の学園祭の声が響いてきました。学園祭、文化祭はもしかして季語?と思いましたが、主要な歳時記には載ってませんでした。日常生活の中にあるものを何でも季語と思ってしまうのは私が俳句マニアだからでしょうか。(苦笑)結局、土日もあまり本格的に吟行できませんでしたが・・・。「読書の秋」が過ぎ去ろうとしてます。

 今日は俳句同人誌「晶 2号」より、特に印象的だった句を引きます。「晶」は中村草田男研究がメインの同人誌です。http://kikandoujinshisyou.blogspot.jp/

  レース着て森の時間をよぎるなり 長嶺千晶
  天草の出といふ仲居夏料理 永汐之恭
  朝虹や廃村を守る道祖神 峯岸八戒
  夏暖簾くぐる時ふと火縄の香 小川雪魚




榎本亨句集『おはやう』(角川書店、平成24年)を読む

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非常に寒いです。(フトコロや句帳の中身も)家の中でも厚着して暖房費を節約作戦。パソコンのキーボードを打ち続けていると「あったまる」わけもないですね^^;いつものように最近、読んだ句集からメモしておきます。

  春蚊出づ出番待つ子の瞬きに
  行く春の駱駝の見せる歯の長き
  半裂の顔の縮みて口を閉づ
  少年院前のポストや小鳥くる
  草の実や鴨と家鴨がうち混じり
  煤掃の日のお多福のお面かな
  根深抱へてこの溝を跳ぶらしき
  練炭の全き灰でありにけり
  鉄亜鈴さげて炬燵を出てゆきぬ
  初猟の湯呑を置きて発ちゆけり
  卒業の波打ち際にあそびけり
  ゑのころに印南野は山遠きかな
  ちぎれあり観潮船の旗の先
  葉桜や口とがらせて土竜死す
 


喜多昭夫句集『花谺』(平成24年)を読む

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毎日まいにち俳句を作って整理して投句して~の繰り返しでございます。できれば子規や虚子ぐらい多作したいのですが、才能が無いのか未だその域に達しておりません(苦笑)再び、句集の読書です。今日は石川の歌人の喜多さまより頂いた句集を読みました。

  兎の仔かたまつてゐる朧かな
  縄跳びに春の白山入れにけり
  麦秋やカーラジオより直太朗
  夜濯の父の背中に触れにけり
  福寿草メイド喫茶のレジの横
  茶柱のまつすぐに立つ桜かな
  走馬燈誰もをらざる縁側に
  小鳥くる明日は論文提出日
  栗の毬キャッチャーミットもて拾ふ
  助手席に大きな犬やクリスマス
  雪の夜やぽつとくもりし哺乳瓶
  軍艦のかたちの島や寒茜

俳誌「とちの木 第16号」を読む

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今日は1日、雨のようです。出不精なのでインドアの作業に明け暮れそうな予感。さっそく最近、読んだ俳誌より気になった句をいくつか引きました。

  伝言板どこにもなくて真夏かな 西塚洋子
  颱風の南の島へ送信す 平岡千枝
  捕虫網どんどん時間過ぎてゆく 川崎雅子
  「ユーカリを育てています」うろこ雲 信崎和葉
  枇杷熟れて誰も渡らぬかづら橋 橋本シゲ子
  秋いづこより餌番の女の子 平岡道代

冨田いづみ句集『島』(夏潮会)を読む

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寒さのせいでブログ更新が滞ってました。(笑)今日、俳誌「夏潮」の第零句集の一冊が届きました。
前に届いていた冨田いづみさんの『島』より句を引いておきたいと思います。

  えんぴつのらくがきのありおひなさま
  山盛りのムール貝食ふ遅日かな
  星の名をたしかめてゐる息白し
  島の子に挨拶されて草の花
  ホーの音まるく届きて初音かな
  のちほどと言ひて別れていわしぐも
  初蝶の日なたに夫と待ち合はす

原昌平句集『夏煖炉』(夏潮会、平成24年)を読む

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昨日、ネットサーフィン(という言葉は死語でしょうか・・・)中に今年の俳壇賞の受賞者を知り、自分が落選していたことが分かりました・・・。もっと戦略的に毎年、応募する賞を決めるとかした方がいいのかもしれませんね。(賞をとる事自体が第一の目標ではなく、この選者の方にみて欲しいという賞に応募してます)

句集を読み楽しみながら勉強する日々です。上掲書より引きます。

  田作の互ひ違ひに重なりて
  島の秋貸し自転車に鍵はなく
  初暦未だくるりと曲りゐて
  小春日の日本の空に帰り来し
  聖堂のかたへに咲きて桐の花
  武蔵野はこゝに始まる大冬木
  


浦川聡子句集『眠れる木』(深夜叢書社、平成24年)を読む

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こんばんわ。やっとプリンタが直ったので、年賀状の印刷を再開しました。でも他にも印刷しなければいけないものが沢山ありピンチです(汗)
 時間があれば忘年会などに行きたいのですが、無理です・・・。(誰か『無名俳人・海音さんを励ます会』とか開いてくれないかなー、自分ひとりしか参加者いなそう^^;)

  先週、著者の方に送ってもらった句集から引きました。

  ヴィオロンの弓は重たし山桜

  てのひらの鳥を放ちて卒業す

  祗園会の錫杖空へ振つてをり

  旅はるか鳴らぬ鬼灯闇へ捨て

  秋の夜の箱階段に坐りゐる

  山々の囲みし家の春炬燵

  卵白のひかりて落つる日永かな

  みちのくに手紙届かぬ桜東風

  膝見えてゐる花冷えの懺悔室

  ステージに椅子一つある原爆忌

  終戦日ガスバーナーのかすかな音

  水澄むやサラダボールに銀の匙

  鳥籠の中の木の影十二月

  立春大吉一行あきで書く手紙

  

山田露結句集『ホームスウィート・ホーム』(邑書林、平成二四年)を読む

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こんばんわ。今日はみなさん仕事納の方が多いのではないでしょうか。私は年賀状ギリギリセーフ、俳句の締切まだあります。

 さて22日は神戸で開催された俳句のイベントに審査員として行っていました。「船団」の方の企画力すごい!と思うぐらい面白い俳句のイベントでした。




審査員として参加されていた山田露結さんの句集から引きます。

  野遊の喋らぬ父でありにけり
  ながながと木綿一反山笑ふ
  カステラの底の薄紙はるうれひ
  春光や鴎の中をゆくかもめ
  春なれや波の音する洗濯機
  鳥帰る絵本の空をたたみけり
  しづかなる袋の中の蝮かな
  少年の髪長くして星月夜


「椋 2012.12」を読む

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こんばんわ。私生活上、テンションが下がることがあり『一寸先は闇』というコトワザを噛みしめております。(苦笑)このテンションをだんだんと上向きにしていくには、私には俳句しかありません。昨年、読みそびれた俳誌がありました。一人句会のつもりでページをめくります。
  
  空近き席となりたる新学期 川島葵
  人待つてからだ傾く石榴かな 対中いずみ
  祝はれて眠りし赤子水の秋 黒澤さや
  

小川軽舟句集『呼鈴』(角川学芸出版、平成二四年)

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先週から2、3日風邪をひいたりして、体調がすぐれませんでした。蒲団のなかで句集を読んでいると悶々としてきますね^^;
 有り難い事に句集をご恵贈して下さる方がおり、読むものには困りません。句会には1ヶ月に一回行ければいい方なので、私の俳句活動は投句、読書、吟行だけ。(ほぼ一人仕事です)

昨日、読んだ句集から数句引きます。

  螢籠畳掃く音さやかなり
  風に立つ猫の尻尾や震災忌
  初鴉高くのぼればあらそはず
  陽炎や強く引かれし手の記憶
  探梅や古き港を見下ろせる
  すぐ手帳開く男と鱧食へり
  蓑虫や旅も三日の無精髭
  あさくさのあさぎの空や福寿草
  呼びに来し子と帰りけり夕蛙
  河馬見んと乗る木の根つこ春近し
  学食の椅子引くひびき鳴雪忌
  手荷物に差す新聞や春の雨
  風鈴やみな伏せてある脱衣籠



宮本佳世乃句集『鳥飛ぶ仕組み』(平成24年)を読む

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こんにちわ。優雅な日曜です。(といっても少し朝寝をしただけです。「朝寝」も季語だった!)
この後、ちょっとだけ本屋とちょっとだけ一人吟行です。むかし、頭の固い人に「一人で吟行行くのはカッコいいけど、あんまり句が出来ないんじゃないの?」と言われ、内心むかっとしました。(おいおい^^;)
「逆に大勢だと落ち着かないし、一カ所で集中できる時間もないじゃないですか」と言い返そうかなと思いましたが、止めておきました。&参加メンバーへの連絡や句会場の確保は時間のない私には無理ですしね。

 今日は先日、宮本さまに送ってもらった句集より引きました。「炎環」若手多くていいなあー。斎藤朝比古さんと曽根新五郎さんのファンですが、会う機会ないですねえ^^;


  瓶ふつて瓶ふつて夏休みかな
  色町や雪のうさぎに雪ふれり
  三人の家族の空に合歓の花
  さうめんの水切る乳房揺れにけり
  消しゴムの小さく割れて夕焼くる
  ハンカチを出さぬまま空広がりぬ
  聴診器の入るポケット十三夜
  カーディガンかけたる椅子や螇蚸飛ぶ
  鹿の子の息吐きながら生れけり
  天高し巻尺最後まで伸ばす
  たけのこを大きくメールそれつきり
  郭公の森にふたりとなりにけり
  おとうとの七夕笹の行つたきり
  洗つても洗つても砂大西日
  くちびるが顔にありけり扇風機



「大 24号 2013年 新年・冬号」を読む

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大寒も過ぎましたが、ふたたび猛烈な寒さに見舞われてます。家にいても厚着作戦だけでは我慢できないほど寒いです。
 
 私事ですが、2月10日のHKN俳句(朝6:35分から)で拙句が紹介されることになりました。早起きの方はぜひ御覧下さい。

今日は「大」の最新号から引きます。


  あらたまの船に帆柱立ちにけり 荒井八雪
  松過ぎの業平橋のちと先へ 川島葵
  龍淵に潜み大滝秀治逝く 榎本享
  短日の雁の剥製歯の小さし 尾崎じゅん木

「河 2013年2月号」を読む

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こんばんわ。今日は節分。地元の神社では豆まきをしておりました。豆を食べる習慣は、いつの間にか我が家ではなくなりました・・・。そんなに節分の豆は食べられません。けっきょく普通の日と変らない節分でした。

 今日は街の本屋に置いてあった俳誌「河」より、共感句を引きます。

  ゆく年の流るる水の昏れにけり のだめぐみ
  たたいて開ける歳晩のジャムの蓋 若宮和代
  マネキンを放りこんだる焚火かな 鎌田俊
  サイドミラーに青空勤労感謝の日 中尾公彦
  イマジン忌夜雨に濡れし皮ジャンパー 大友稚鶴
  窯の火をふた夜燃やして神の留守 鈴木季葉
  バウムクーヘン膝にこぼすや年の果 朝賀みど里
  灯の入りて小さな秋の帽子店 市川悦子
  フクシマは地図の真ん中雪来るか 前原絢子
  サイフォンの音立ててゐる四日かな 角川春樹  

俳誌「枻 平成25年2月号」を読む

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こんばんわ。更新をおこたっている我がブログに訪問してくださり有り難うございます(苦笑)

ただ今、次の締切に追われている最中です。角川「俳句 5月号」への20句と俳誌「火星 7月号」への15句を一ヶ月ぐらいで仕上げます。やはり知らず知らずのうちに手持ちの句なくなります(もしこれが貯金しているお金だったら、破産状態ですよ)まさに私は崖っぷち俳人です・・・。

いつものように最近、読んだ俳誌より引いておきます。

  冬菊を括りて誰も振り向かず 橋本榮治

  冬深む大黒柱立ちつづけ 有住洋子

  わが生れし十一月の竹の直 鹿野佳子

  山茶花の羽音の中に咲きゐたり 福田昌子

  遠くより葬列の来る野分あと 吉田篤子

  冬日向八十貫の力石 藤田千代子

  転び起き転び起きる子まゆみの実 佐々木久海香

  白菜を干して斜めの日差かな 南谷浩子

  きつぱりと別れてひとり藍の花 福田由美子

俳誌「とちの木 第17号」を読む

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こんばんわ。なぜこんなに寒い日ばかり続くのでしょうか。懐の中も寒い、俳句もできずで困ってます(苦笑)風邪だけは引かぬようにしなければ・・・。

 今日、読んだ俳誌から引きました。

  娘らの脚長くなり年用意 松山善之助
  御座船に手をふる子供鰯雲 片岡松美
  バスの中に赤子がふたり秋の暮 倉本勉
  耳どほくなりて真つ赤な唐辛子 西塚洋子
  たらちねの母の扇の匂ひかな 松山善之助
  逝く夏を観客席の闇にをり 川崎雅子
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